~ヴァイオリンアジャスターについて 弦を支えるために音質的に一番良いのは、テールピースに直接留めることですが、調弦の煩わしさからアジャスターが使われる訳です。 アジャスターというものには、音質や音量に対する考慮がなされていません。 ようやく最近チタンなどの製品が市場に現れましたが、あらかたの製品は加工の容易さから真鍮で作られています。そして構造的には必ず梃子を取り入れて作られています。つまり振動の支持経路に、真鍮という比較的軟らかな金属で作られた梃子入りの夾雑物を介在させるという、二重の間接化が行われているのです。 真鍮はその柔らかさによって微振動を吸収してしまいます。つまり倍音の伸びが阻害されているということです。同時に音の立ち上がりも鈍くなります。 さらに市販されているアジャスターには、テールピース上で留める梃子レバーの短いタイプと、テールピースの外で留める梃子レバーの長いタイプがありますが、当然レバーの短いタイプの方が振動吸収材が少ない分、音質に与える害も少ない訳です。 ソノリテはその振動支持経路のほんの一部をクロームモリブデン鋼に取り換えることにより、アジャスターという言わば必要悪の部品の欠点を大幅にカバーすることができます。
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